バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
Online ISSN : 2424-2578
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ISSN-L : 1345-1537
パターン分析型連想メモリ
時田 洋輔三好 弘太郎横井 博一
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ジャーナル オープンアクセス

2006 年 8 巻 1 号 p. 61-69

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抄録
従来の連想メモリは,パターンのみで連合を実現している.そのため,記憶容量が小さいことと耐雑音能力が低いという問題点がある.そこで本論文では,連合過程においてパターンだけではなくその分析情報をも用いるパターン分析型連想メモリを提案し,計算機実験により記憶容量と耐雑音能力について階層型の連想メモリと比較し,提案連想メモリの有効性を検討することを目的とした.提案連想メモリでは,連合する二つのパターンそれぞれに関する恒等写像を別々の砂時計型ニューラルネットワークに学習させ,それぞれのパターンを記銘しておく.この記銘過程で得られた分析情報は連合過程で用いる.計算機実験では,提案連想メモリと改良型階層型連想メモリそれぞれに英大文字パターンの対を26個および52個を連合させた.記銘パターンと同じキーパターンをそれぞれの連想メモリに入力した結果,連合させたパターン対の数が52個の場合には,提案連想メモリの方がパターン想起確率が47.7%,要素想起確率が0.2%高くなることが示された.一方,記銘パターンに40%の雑音を含ませたキーパターンを入力した結果,提案連想メモリの方がパターン想起確率が20%,要素想起確率が3.7%高くなることが示された.以上のことから,提案連想メモリの有効性が確認された.
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© 2006 Biomedical Fuzzy Systems Association
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