熱傷
Online ISSN : 2435-1571
Print ISSN : 0285-113X
原著
三次搬送された小児熱傷患者の検討
山本 明彦海田 賢彦阿部 正宗辻野 伸明田中 佑也山口 芳裕
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2026 年 52 巻 2 号 p. 67-72

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抄録

 【目的】小児熱傷の疫学に関する報告は散見されるが, 重症度判定に関する検討は限定的である. 当院に三次搬送された小児熱傷の分析を通じ, 搬送時における重症度判定の現状と課題を明確にすることを目的とした.
  【方法】2001年1月から2024年12月までの24年間に, 当院高度救命救急センターへ直接三次搬送された小児熱傷患者を対象とし, 診療録より性別, 受傷時の年齢, 受傷原因, 受傷時期, 総熱傷面積, Ⅱ度・Ⅲ度熱傷面積, 重症度, 手術の有無, ICU滞在日数, 転帰について後方視的に検討した. 重症度についてはburn index(BI), 東京消防庁の搬送基準, Moylan基準を用い評価した.
 【結果】心肺停止1例, 転院搬送3例をのぞいた80例を対象とした. 男児は46例, 年齢の中央値は1歳, 6歳以下が70例であった. 原因は高温液体が75例と最多であった. 総熱傷面積の中央値は10%で10%未満が31例, 10%以上20%未満が39例, 20%以上30%未満が6例, 30%以上が4例であった. BIの中央値は5.5, 東京消防庁の搬送基準では, 52例が重症に該当しており, 熱傷面積から重症と該当したのが46例であった. 関節部に熱傷を認め重症に該当した症例は14例あり, そのうち熱傷面積自体は重症の基準を満たさなかった症例が6例あった. Moylanの基準では, 重症が56例あり, 熱傷面積が重症に該当したのは9例であった. 顔面, 四肢に熱傷を認め重症に該当したのが53例あり, そのうち熱傷面積自体は重症の基準を満たさなかったのが47例あった. ICU滞在日数の中央値は7日であり, 全例が生存退院していた.
 【結語】小児熱傷の東京都における搬送基準において, 年齢の基準を8歳未満から2歳以下への変更することと, 顔面や手足の熱傷の項目を追加することについて検討の余地がある.

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