熱傷
Online ISSN : 2435-1571
Print ISSN : 0285-113X
原著
ネキソブリッド®使用後の創面評価における肉眼所見と組織学的所見の乖離
-pseudo eschar形成とデブリードマン効果の検討-
関口 真央根本 充新美 雄大岩川 さおり和唐 純平熊澤 憲一
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2026 年 52 巻 2 号 p. 73-79

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抄録

 【目的】ネキソブリッド®はパイナップル茎搾汁精製物を有効成分とする壊死組織除去剤であり, ゼラチナーゼ活性により選択的デブリードマンが可能とされる. その特性により術者の技術によらず壊死組織除去が可能であるが, デブリードマン後の創面評価は困難であり, 経験を要する. 当院ではネキソブリッド®使用後の創面を組織学的に評価し, 肉眼所見との乖離とその原因について検討した.
 【方法】2024年1月から2025年1月までに当院へ搬送された熱傷症例のうち, ネキソブリッド®使用後に外科的デブリードマンを追加した8症例19部位を対象とした. 外科的デブリードマン施行前に創部よりデルマパンチで組織を採取し, 組織学的に壊死組織の残存を評価した.
 【結果】視診で明らかに壊死組織残存と判断した7部位中3部位では, 組織学的に壊死組織を認めなかった. これら3部位はいずれも肉眼的に創面が白色を呈しており, pseudo escharと考えられた. 組織学的にはいずれも皮膚付属器を含まず, 弾性線維が減少・消失した膠原線維に類似した層を最表層に有していた.
 【考察】pseudo escharの存在がネキソブリッド®使用後の創面評価を困難にしている一因と考えられた. 肉眼所見のみで壊死組織残存を判断することは困難であり, 組織学的評価が創面の理解および過剰な追加デブリードマンの回避に寄与する可能性が示唆された.

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