脈管学
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症例報告
Deep Tissue Injuryの臨床像を呈した腸骨動脈高度狭窄による虚血性仙骨部潰瘍の1例
日野岡 蘭子菊地 信介栃窪 藍大平 成真竜川 貴光本間 大東 信良
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 61 巻 4 号 p. 19-24

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抄録

包括的高度慢性下肢虚血,II型糖尿病,狭心症,透析依存腎不全を有する50代男性。右膝下膝窩動脈–足背動脈バイパス術翌日に仙骨部に暗紫色の発赤出現,壊死組織を伴う潰瘍へ移行。Deep Tissue Injury(DTI)を疑ったが,潰瘍周囲の組織酸素飽和度(Tissue Oxygen Saturation: StO2)は潰瘍右側で14–12%と低値を示し,虚血性潰瘍を示唆した。血管造影所見では右内腸骨動脈起始部に石灰化を伴う75%狭窄を認めバルーン拡張,ステント留置施行,StO2は54–80%に改善。局所はステント留置後50日目に完全治癒を得た。

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