背側膵動脈瘤は極めて稀な疾患であり,腹腔動脈狭窄・閉塞と関連している。症例は76歳男性,偶発的に正中弓状靭帯圧迫症候群に起因する腹腔動脈起始部閉塞と背側膵動脈瘤を発見された。膵十二指腸アーケードには高度な石灰化狭窄を散見したため直達手術にて動脈瘤空置と順行性バイパスを実施した。膵十二指腸領域の動脈瘤ではコイル塞栓が推奨されているが,血行動態に懸念が残る場合には積極的な血行再建も選択肢となりうる。
症例は33歳男性で特発性心筋症の診断でIMPELLA CP挿入の方針となった。治療終了後,IMPELLA抜去時に血管穿刺部位に巨大欠損孔が認められた。当初はタバコ縫合による穿刺部の止血予定であったが,術式変更を余儀なくされ,パッチ形成を施行した。近年,医療の低侵襲が注目され,止血デバイスも多く使用され有効性が報告されている。一方で合併症への懸念もあり,患者選択や治療方針を熟考する必要がある。今回我々は循環補助デバイス離脱時に,予期せぬ刺入部巨大欠損孔を経験したため報告する。
症例は91歳の男性。転倒し体動困難となり救急搬送された。レントゲンにて左肩関節脱臼の診断となり,徒手整復された。整復後,ショックバイタルとなり,造影CT検査が行われ,左腋窩動脈損傷と診断された。血管内アプローチによりバルーン止血を行い,血行動態を安定させ,緊急での左腋窩動脈–左上腕動脈バイパス術を施行し救命した。術後10カ月が経過しており,バイパスは開存し,上肢挙上は外転位約90度まで可能となっている。