Journal of Computer Aided Chemistry
Online ISSN : 1345-8647
ISSN-L : 1345-8647
可視および近赤外スペクトルを用いた土壌成分値予測モデルの構築
安藤 正哉荒川 正幹船津 公人
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2009 年 10 巻 p. 53-62

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抄録
精密農業では、生産量の増加、肥料・農薬・水などの使用量削減、あるいは環境保護などを目的として、適切な地点に適切な量の資材を適切なタイミングで投入することを目指している。適切な圃場管理のためには、圃場の情報を正確に知ることが必要であり、それを実現するため土壌センサーを用いた研究が行われている。土壌センサーを用いて土中の可視・近赤外スペクトルを測定し、そのスペクトルから土中の水分量・窒素量などを予測することで、圃場管理の基礎となる各種土壌情報を得ることができると期待されている。本論文では、土壌センサーによって測定された可視・近赤外スペクトルと、土壌の水分量・炭素量・窒素量・電気伝導率・pHとの間でPLS法による回帰モデルを構築し、土壌成分値を高い精度で予測可能であることを示した。また、変数選択のための手法であるGAWLS(genetic algorithm-based wavelength selection)法について、その有用性および汎用性を検証した。全ての変数を用いるPLS法、各変数を独立して選択するGAPLS(genetic algorithm-based partial least squares)法と比較し、GAWLS法が土壌成分値予測のための有用な手法であることを示した。
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© 2009 日本化学会
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