Journal of Computer Aided Chemistry
Online ISSN : 1345-8647
ISSN-L : 1345-8647
最安定反応経路探索(MSRP)法開発とPinner Pyrimidine反応への適用
前山 恵璃山口 徹隅本 倫徳堀 憲次
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2021 年 22 巻 p. 1-7

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抄録

我々は、置換基を多数有する分子における反応について、遷移状態データベース(TSDB)から検索された類似反応の遷移状態(TS)構造を利用して、対象とする反応のTS構造を得る方法を提案してきた。しかしながらこの方法は、最安定TS構造を与えないことが多い。即ち、最適化されたTS、反応物および生成物の安定性は、最適化に用いた初期構造に大きく依存し、複数の合成反応の有用性比較や実測値と比較するには不十分なデータを与える。これらの目的に合致するデータを得るためには、反応に関係する分子の最安定配座の探索が必須と考えられる。本研究では、この性質を有する反応経路(最安定反応経路, MSRP)を探索する手法を提案するとともに、それをethyl 3-oxobutanoateと3-ethoxypropanimidamideのPinner Pyrimidine反応に適用した結果を示す。

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© 2021 日本化学会
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