日本補完代替医療学会誌
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原著
食―薬間相互作用:薬物代謝酵素 (CYP3A4, CYP2C9) 活性に対するエゾウコギの影響(第 3 報)
高橋 恒久五十嵐 将樹佐藤 隆司渡辺 一弘
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2014 年 11 巻 1 号 p. 17-24

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抄録
機能性食品素材として利用されるエゾウコギ Acanthopanax senticosus Harms に含有することが知られている 14 種の各成分について,ヒト肝ミクロソームを酵素源として CYP2C9 および CYP3A4 活性に与える影響を検討した.その結果,セサミン,ケルセチンが両酵素活性を,ケルシトリンが CYP3A4 活性を強く阻害した.CYP2C9 活性に対するセサミンおよびケルセチンの 50%阻害濃度は,エゾウコギ乾燥エキス (ASE) に対しそれぞれ約 124 倍および 59 倍,CYP3A4 活性に対するセサミン,ケルセチンおよびケルシトリンは,それぞれ約 427 倍,約 135 倍および 22 倍低い値を示した.いずれの成分も非競合的に両酵素を阻害した.各成分の ASE 中の含量を考慮すると,エゾウコギの薬物代謝酵素に対する阻害は,これらの含有成分あるいは含有成分の代謝物を含む複数の成分の相加若しくは相乗作用であることが推察された.
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© 2014 日本補完代替医療学会
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