日本補完代替医療学会誌
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原著
健常成人における柿抽出物含有食品の口腔ガス中および糞便中の揮発性硫黄化合物の濃度ならびに自覚的糞便臭に対する効果
濱舘 直史瀬戸 加代子山本 哲郎山口 英世山本 悦司神谷 有久理矢澤 一良
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2014 年 11 巻 1 号 p. 41-47

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抄録

柿抽出物含有食品(KE 食品;1 回摂取量:柿抽出物として 150 mg)の健常成人における口腔ガス中の主要口臭原因物質とされる 3 種の揮発性硫黄化合物 (VSC),すなわち硫化水素 (H2S),メチルメルカプタン (CH3SH) およびジメチルサルファイド (CH3SCH3),の濃度に及ぼす効果を検討する試験(試験 1)および糞便臭の原因となる VSC として知られる CH3SH および H2S の糞便中濃度ならびに自覚的糞便臭に対する効果を検討する試験(試験 2),を各々実施した.11 名の被験者を対象として試験 1 においては,KE 食品の単回摂取によって口腔ガス中の CH3SCH3 の濃度が有意に低下することが示された.14 名の被験者を用いた試験 2 においては,KE 食品の 1 日 1 回,7 日間摂取は,CH3SH および H2S の糞便中濃度を有意なレベルまでは低下させなかったものの,自覚的糞便臭を有意に改善した.以上の成績から,口臭ならびに糞便臭に対する KE 食品の有益な効果が示唆された.

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© 2014 日本補完代替医療学会
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