日本補完代替医療学会誌
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総説
ビルベリー製品:最新の市販エキスの特性評価
ジョバンニ アペンディーノ川田 晋瀬川 潔
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2015 年 12 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

野生の北欧産ビルベリー (Vaccinium myrtillus) は,果実の色の原因となり強力な抗酸化活性を特徴とする分子クラスであるアントシアニンを最も豊富に含む植物の 1 つである.生物学的観点から,アントシアニンには複数の多様な活性があり,慢性静脈不全や糖尿病性網膜症などの病態の治療に高品質ビルベリーエキスを使用する臨床試験が実施されてきた.産業用ビルベリーのサプライチェーンの複雑さおよびそれに伴うアントシアニンを豊富に含むビルベリーエキスの高コストが前提となって,栄養補助食品市場はビルベリーとは無関係の低価格材料に由来するアントシアニンまたは化学染料のいずれかを使用した粗悪エキスの急速な増加に直面している.現在の状況は極めて困難な問題を抱えているが,粗悪品を検出する複数の分析法が利用可能であり,小売店の棚に並ぶ最終製品に至るまでのサプライチェーンに沿って定期的に粗悪品検査を実施する必要がある.本総説では,市場の状況を要約し,これらの偽造品を見分け製品の高品質や一貫性を消費者に保証するために業界が利用可能な最新の分析技術を概説する.

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© 2015 日本補完代替医療学会
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