目的:高トリグリセライド血症は,動脈硬化性疾患とくに冠動脈疾患の主要なリスク因子である.ハマナス (
Rosa rugosa) 花弁抽出物 (RE) にリスク軽減効果があるか否かを検討した.材料・方法:血清トリグリセライド (TG) が正常高値かまたは軽度上昇 (120~399 mg/dL) を示す男女成人 19 名を対象とするオープンラベル試験を実施した.被験者には,1 日当り RE 200 mg を含有する試験食品を連続 4 週間摂取させ,介入開始前(ベースライン)および介入終了時(4 週後)に血清 TG その他の血清脂質を測定し,各測定値について群内比較を行った.結果:ベースラインと比較した場合,血清 TG,血清総コレステロール,および血清 non HDL-コレステロールはいずれも有意な低下を (P < 0.05),血清 LDL-コレステロールは低下傾向 (P = 0.070) を示した.一方,血清 HDL-コレステロールのレベルはほとんど変化しなかった.介入期間を通して試験食品に関連する有害事象は皆無であった.結論:RE 含有食品は TG 高値その他の脂質異常値の改善を通して,冠動脈疾患の発症リスク軽減に有用性をもつことが示唆される.
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