2019 年 16 巻 2 号 p. 95-104
中医体質9分類と,生活習慣病に関わるボディ・マス・インデックス(BMI)やエネルギー摂取量との関係を検討した.インターネットを通じて729人を対象として,中医体質調査票,身長,体重,食事摂取頻度調査,生年月日,運動習慣に対する回答を取得し,体質間のBMI,エネルギー摂取量ならびに年齢,身長,体重,運動習慣を調整した調整済みエネルギー摂取量の多重比較検定を行った.結果は,女性では有意差は見られなかったものの,男性では陽虚質のBMIは,平和質,気虚質,痰湿質のBMIより有意に低かった(p = 0.00098,p = 0.029,p = 0.040).なお,男女とも,各体質とエネルギー摂取量ならびに調整済みエネルギー摂取量の間に関連性はみられなかった.体質調査が生活習慣病のリスクファクター解消に有用であるか否かについて,今後のさらなる研究が期待される.