抄録
本研究では健常者を対象にシイタケ菌糸体抽出物(LEM)の疲労感および免疫機能への影響を検証した.同意を得られた22名をそれぞれ11名ずつLEM群とプラセボ群の2群に割付し,LEMを4週間(600 mg/日)連日経口摂取させ,摂取前後の疲労感(VAS)と免疫機能(NK細胞活性)を評価した.LEM群では疲労感のVASが摂取前後で有意に改善した(p<0.01).NK細胞活性はLEM摂取前後で有意に上昇し(p<0.01),摂取4週間後ではプラセボ群に対してLEM群は有意に高値を示した(p<0.05).また,NK細胞活性の変化量はプラセボ群に対しLEM群で有意に高値を示した(p<0.05).以上よりLEMの経口摂取は健常者のNK細胞活性を向上することにより,免疫機能を維持・改善することが示唆された.