日本補完代替医療学会誌
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臨床現場シリーズ
日本初の大学における統合医療の実践
川嶋 朗班目 健夫
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2005 年 2 巻 1 号 p. 75-79

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抄録

日本には,漢方医学という伝統的な医療がある.漢方薬は 1895 年に一度廃絶されたが,1965 年には復権し,保険医療で認められるに至っている.最近では,カイロプラクティックやアロマセラピーなどの他国から輸入された相補(補完)・代替医療 Complementary and Alternative Medicine (CAM) がわが国でも広がりつつある.漢方医学以外の CAM に関する学会の設立は目白押しで,遅ればせながら CAM に取り組む気運が盛り上がりつつある.教育面では漢方医学が広く普及してきたが,その他の CAM についても少数ではあるが,教育を行う施設も出てきている.しかしながら,CAM の実践となると家庭医くらいで病院は数えるほどしかない.さらに統合医療となると実践施設はほとんど存在しないのが現状である.2003 年 6 月,東京の青山にわが国の大学としては初の統合医療実践施設が誕生した.西洋医学の専門家が CAM を中心に診療を行っている.筆者はその責任者である.本稿では,統合医療を実践するための問題点や現在行っているプログラムなどについて報告する.

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© 2005 日本補完代替医療学会
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