目 的:マッサージの免疫学的,心理学的及び血清脂質に及ぼす影響を検討する.
デザイン:32 名に対する被検者内比較試験
場 所:京都府立盲学校及び京都府立医科大学
方 法:18 歳から 56 歳までの 32 人の成人(男性 10 人,女性 22 人)に 25 分間の全身のマッサージをおこない,白血球数,白血球分類,血清脂質,唾液分泌型 IgA,STAI 不安尺度 (State-Trait Anxiety Inventory) などにつき検討した.
結 果:心理学的指標;状態不安,特性不安,ともに有意に減少した.血清脂質;統計学的に有意な血液希釈が認められ,血清 T-CHO HDL-c,LDL-c ともに有意減少した (p<0.001).免疫学的指標;統計学的に有意な好中球の減少 (p<0.05) と CD16 陽性細胞の減少 (p<0.01) が認められた.
結 論:以上により,マッサージ療法は不安を軽減し,免疫力および血清脂質濃度に影響を与えることが示唆された.
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