日本補完代替医療学会誌
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原著
発酵抽出エキスによるマウス腫瘍細胞の増殖抑制効果
中屋 隆明梅内 貴子長谷川 信博中井 さち子松尾 龍彦今西 二郎
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2006 年 3 巻 1 号 p. 9-13

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抄録

穀物の発酵抽出エキスの抗腫瘍活性についてマウスモデルを用いて検討した.米胚芽,小麦胚芽,玄米,大豆などを発酵させ,それに海草ミネラルを加え,さらに発酵させた抽出物を混合させた餌をマウスに 14 日間与えた後,マウス B16 メラノーマ細胞を皮下に接種し,経過を観察した.その結果,発酵抽出エキスを与えたマウスにおいて有為な腫瘍細胞の増殖抑制効果が見られた.さらに肺転移モデルとして B16 細胞を尾静脈より接種し,3 週間後に肺における結節数を計測したところ,発酵抽出エキスを与えたマウスにおいて有為な転移数の減少が確認された.腫瘍抑制効果のメカニズムを明らかにする目的で NK 活性を対照マウスと比較したが,有為な違いは見られなかった.以上の結果は,その機構は不明なものの,上記の穀物発酵抽出エキスがマウスモデルにおいて抗腫瘍活性を有することを示唆する.

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© 2006 日本補完代替医療学会
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