日本補完代替医療学会誌
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総説
看護における補完代替医療の現状と問題点
―ホスピス・緩和ケア病棟に勤務する看護師の補完代替医療の習得と実施に関する調査から―
新田 紀枝川端 京子
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2007 年 4 巻 1 号 p. 23-31

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抄録

緩和ケア病棟の看護師による補完代替医療 (CAM) の習得と実施の現状を明らかにすることを目的に全国調査を行った.調査票は看護師 907 名(回収率 77.3%)から回収された.9 割の者が看護ケアとして CAM を実施したことがあり,CAM の関心,身体的,精神的効果の認識,必要性の認識はいずれも高かった.看護基礎教育で学習する機会があったマッサージや足浴,罨法がよく実施されていた.身体的,精神的症状に応じて異なる CAM が使用されていた.実施上の問題点として「技術が未熟」,「時間の不足」,「効果の評価ができていない」があげられた.CAM の習得上の要望には,講習会の開催に関するものが多かった.看護ケアとして CAM を実施していくためには,各種 CAM のエビデンスの蓄積と看護基礎教育,継続教育における CAM の教育プログラムの充実が必要であると考えられた.

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© 2007 日本補完代替医療学会
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