抄録
本試験では,つつみ込む気流制御エアコン(暖房)の抗疲労効果および快適性について検証するため,健常女性を対象としたランダム化 2 試験区クロスオーバー試験を実施した.エアコン(暖房)使用時に不快感を覚えやすい女性 8 名において,つつみ込む気流(暖房)または人あて気流(暖房)でエアコン制御された部屋で 30 分間の休息およびパソコン作業による 120 分間の疲労負荷を実施した.Visual Analogue Scale による主観的評価,レーザー・ドップラー式血流計による足の血流測定,および尿中バニルマンデル酸測定の結果から,つつみ込む気流(暖房)制御は,末梢血流を改善しパソコン作業による交感神経活動の亢進を抑制することが明らかとなった.これらの作用により,快適感,意欲が維持され,足先の冷え感,疲労感の上昇が軽減されたと考えられた.本研究により,つつみ込む気流制御エアコン(暖房)の抗疲労効果,快適性,さらには健康維持に対する有用性が示唆された.