シイタケ菌糸体 (L.E.M.) 抽出物の安全性評価のため,遺伝毒性と急性毒性を検討した.遺伝毒性では,細菌を用いた復帰突然変異試験およびマウス骨髄細胞を用いた
in vivo 染色体異常試験を行ない,いずれも陰性であった.L.E.M. 抽出物 10,000 mg/kg の単回経口投与による急性毒性試験では,死亡個体や異常所見は認められなかった.よって,遺伝毒性と急性毒性において,L.E.M. の安全性が確認された.また,医薬品との相互作用を推測するため,主要な薬物代謝酵素であるシトクロム P-450 3A4 (CYP3A4) の阻害作用を,バキュロウィルス発現系を用いて検討した.結果,L.E.M. に CYP3A4 阻害作用は認められなかった.
以上より,L.E.M. は遺伝毒性および急性毒性に問題がなく,薬物代謝酵素,CYP3A4 阻害作用を有していないことから,健康食品素材として安全に使用できる可能性が示された.
抄録全体を表示