2020 年 11 巻 1 号 p. 71-80
睡眠障害のない健康な9~15歳の29名を対象に,子どもの睡眠に対するタクティール®ケアの効果を生理・心理学的指標を用いて検証することを目的とした.その際,タクティール®ケアを実施する施術群と,実施しない対照群に分け,タクティール®ケアを日中に実施し,実験中の睡眠に対する即時的な効果と,実験当夜の睡眠に対する遅延的な効果を検証した.その結果,子どもへの日中のタクティール®ケアの実施は,明確な即時的な効果は認められなかった.夜間の睡眠状況では,施術群での睡眠の質に対する睡眠感が対照群よりも有意に高く,遅延的な効果がある可能性が示唆された.今後の研究において,タクティール®ケアが,繰り返し継続的に実施した場合の効果を確かめることなどにより,子どもの睡眠改善方法としてのさらなる効果を期待できるものと考える.