子どものこころと脳の発達
Online ISSN : 2435-8819
Print ISSN : 2185-1417
総説
染色体ペアリングによる遺伝子発現制御―15q重複症候群モデル細胞を用いた研究―
目黒 牧子堀家 慎一
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2021 年 12 巻 1 号 p. 41-46

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抄録

ダウン症をはじめ,13トリソミー,18トリソミー,ターナー症候群など染色体の数の異常による症候群の多くは,その染色体が異なるにも関わらず精神発達遅滞を呈する.また,近年のゲノム解析技術の進歩に伴い,神経発達障害患者において多数のゲノムコピー数の異常が同定されている.これらのことは,遺伝子の核内配置や高次クロマチン構造が調和の取れた健やかな脳の発達に重要であることを示唆している.そこで我々は,人工的に15q重複モデル細胞を樹立することで,遺伝子の核内配置や高次クロマチン構造などエピジェネティクスによるグローバルな遺伝子発現制御の破綻が自閉症の発症にどの様に関与しているのかについて解析を行った.

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© 2021 大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
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