子どものこころと脳の発達
Online ISSN : 2435-8819
Print ISSN : 2185-1417
総説
不登校に関する世界の研究を概観する
西村 倫子
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2023 年 14 巻 1 号 p. 10-17

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抄録

「不登校」という現象は日本に限ったものではない.用語を定義し,記述するために様々なアプローチがとられ,世界各国で研究が実施されてきた.不登校を予測するリスク因子を探索する研究では,子どもの身体的・心理的問題や,物質乱用,子どもの反社会的行動や危険な行為,学校における問題といったように,子ども自身,家庭,学校のそれぞれに関連した「7つのリスクテーマ」が特定されている.これらリスクのアセスメントは,不登校予防に重要な因子を知ること,および有効な介入方法の開発と選択に重要である.それに加え,介入のニーズをアセスメントする際には,介入によって変化しうる「動的」要因に焦点が当てられることが提唱されている.介入について,本稿では多層アプローチに焦点を当て,特にすべての子どもを対象とした予防的アプローチに関する研究を紹介する.

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© 2023 大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
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