「不登校」という現象は日本に限ったものではない.用語を定義し,記述するために様々なアプローチがとられ,世界各国で研究が実施されてきた.不登校を予測するリスク因子を探索する研究では,子どもの身体的・心理的問題や,物質乱用,子どもの反社会的行動や危険な行為,学校における問題といったように,子ども自身,家庭,学校のそれぞれに関連した「7つのリスクテーマ」が特定されている.これらリスクのアセスメントは,不登校予防に重要な因子を知ること,および有効な介入方法の開発と選択に重要である.それに加え,介入のニーズをアセスメントする際には,介入によって変化しうる「動的」要因に焦点が当てられることが提唱されている.介入について,本稿では多層アプローチに焦点を当て,特にすべての子どもを対象とした予防的アプローチに関する研究を紹介する.