学齢期は情緒的,行動的問題が多くみられる時期である.学校はこのようなメンタルヘルスに関わる問題をスクリーニングするのに適した場であり,その重要性が以前から指摘されてきた.一方で,スクリーニングのための資金や人材の確保,スタッフの知識やトレーニングの不足,頻繁な異動,リスクを特定した後のサポート体制といった懸念も多く指摘されている.我々はこれまでに,メンタルヘルススクリーニングツールのアプリ化と,それに基づいた学校ベースのスクリーニングの実施によって,コロナ禍における小中学生の抑うつ・不安症状の現状と推移を調査してきた.また教育委員会との協働により,毎日の健康観察をアプリ化し,そのデータを利活用することによって,メンタルヘルスの低下や欠席の多さを予測するモデルの構築を進めてきた.本稿では,これらの取り組みを紹介するとともに,洗い出された課題について考察する.