子どものこころと脳の発達
Online ISSN : 2435-8819
Print ISSN : 2185-1417
総説
メンタルヘルスの1次予防としての学校における子どものWEBストレスチェックと学校医,養護教諭,教育相談担当教員,保健体育教員,学校長の役割
清水 栄司古川 美之土屋 綾子池水 結輝小柴 孝子堀 清一郎
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2024 年 15 巻 1 号 p. 63-69

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抄録

児童生徒の自殺予防に係る取組として,WEBでの子どものストレスチェックを推進している.現時点で,学校長,教頭,副校長,学年主任,担任等が職員会議,教育相談部会で子どものストレスチェックの実施の情報共有を行い,教育相談担当教員が中心となり,実施する学校が多い.今後は,2次予防の健康診断のように学校医が養護教諭とともに,1次予防の子どものストレスチェックを実施する形や保健体育の教員が保健体育の「心身の相関とストレス」単元等の授業の中でアクティブ・ラーニングとして活用する形も期待している.ストレス対処法である認知行動療法を活用し,不登校の児童生徒等が登校再開する際の3次予防として,復帰支援,再発予防にも取り組むべきである.政策提言として,いじめの認知件数のように,高ストレス児童生徒の認知件数を全国の小・中・高等学校及び特別支援学校から文部科学省がデータ収集し,自殺対策に活用していただきたいと考えている.

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© 2024 大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
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