Journal of Computer Chemistry, Japan
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研究論文
構造設計/構造創出のための分子進化アルゴリズム
河合 健太郎吉丸 和孝高橋 由雅
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2011 年 10 巻 1 号 p. 25-31

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抄録

本論文では,進化的アルゴリズムの技法を用いた創薬候補構造の創出アプローチ(分子進化アルゴリズム)について報告する.本研究で提案する分子進化アルゴリズムでは,最初に,種(シード)構造を与え,これをもとに初期個体集団を生成する.得られた個体集合に交叉や変異を施し,生成された各個体の適応度評価を行い,次世代集団への生き残り個体を選抜(淘汰)する.これらの進化操作を繰り返し,最終世代に生き残った個体群を候補構造集合とする.個体(候補化学構造)の遺伝子表現には原子結合表を用いた.本法の妥当性を検証するため,適応度評価関数に構造類似度を用いた分子進化アルゴリズムを実装し,基本骨格から目標構造への進化計算を試みた.その結果,本アプローチにより,膨大な探索空間から適応度の高い化学構造が効率的に創出できることを確認した.

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© 2011 日本コンピュータ化学会
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