Journal of Computer Chemistry, Japan
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技術論文
計算されたH2の基底状態 2Σu+ の構造
– 基底関数依存性 –
Amih SAGAN中山 尚史長嶋 雲兵寺前 裕之長岡 伸一
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2013 年 12 巻 3 号 p. 190-195

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抄録
Gaussian03に標準的に納められている基底関数系(6-311G**,6–311++G**, aug-cc-pVTZ, cc-pVTZ, D95, D95++)を用いてdiffuse関数の有無によるH2の基底状態 2Σu+ の構造の基底関数依存性を示す.計算方法はHF法およびMP2法,そしてFull CI法である.Diffuse関数を含まない通常の基底関数系では,H2はH2の反結合性軌道に電子が入るので,H2の基底状態 2Σu+ の核間距離はH2の核間距離に比べ大きくなる.Diffuse関数を含む基底関数系を用いると電子は大きく広がった軌道に入るためH2の基底状態 2Σu+ の構造はH2の構造に近い構造となる.H2の基底状態 2Σu+ の構造とdiffuse関数のζ(<r>)の関係も示した.Diffuse関数のζが大きく<r>が小さいとき,H2の基底状態 2Σu+ の構造はH2のそれより長くなり,diffuse関数のζが小さく<r>が大きいとき,H2の基底状態 2Σu+ の構造はH2のそれに近くなる.
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© 2013 日本コンピュータ化学会
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