抄録
AO分類typeC上腕骨遠位端骨折に対し,olecranon osteotomy (OO)とlateral para-olecranon (LPO)の臨床成績を比較検討した.対象は手術加療を行なった19例(男性9例,女性10例)で,手術時平均年齢59.2歳であった.骨折型はC1 5例,C2 10例,C3 4例であった.検討項目は,手術時間,外固定期間,合併症,最終観察時の肘関節可動域とした.LPO群で年齢が有意に若く,arcが有意に良好であった.合併症はOO群において,上腕骨側の合併症4例と肘頭側の合併症3例を認めた.本検討では肘頭骨切り部の合併症を10例中3例に認め,肘頭骨切り部の合併症の予防には,肘頭骨切り部の固定の工夫やインプラントの変更を考慮する必要がある.LPOはC1 C2において,OOに比べ合併症が少なく,臨床成績は良好であった.