2016 年 15 巻 5 号 p. 148-154
核・電子軌道 (NOMO) 法は,原子核に対して軌道の概念を導入した量子化学理論である.NOMO法におけるHartree-Fock (HF)方程式の解として得られる原子核軌道エネルギーは,全エネルギーや軌道そのものと比較して注目されていない.本論文では,NOMO法における原子核軌道エネルギーの物理的意味とpost-HF理論への応用を述べる.特に,最近開発されたプロトンプロパゲーター法による束縛エネルギーの見積りについて,計算例を含めて紹介する.