関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第38回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: S-015
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シンポジウム2 学校教育現場に求められる小児の理学療法士の役割を考える
東京都における特別支援学校における取り組みと課題
黒川 洋明
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抄録

 どんなに障がいが重くても「就学」「学校生活」は子どもやその家族にとって、ライフステージの大きな変化であり、新たな社会参加となる。

 特別支援学校は、一人の子どもとして学校に寄せる期待と特別な教育的ニーズを踏まえ、子どもの発達保障と幸せを追求していく重要な環境となる。また学校卒業後の生活に向けて子どもの自立する力を伸ばしていくTransition支援としても重要な役割を担っている。

 Transition(移行)とは、学校生活から卒業後の生活への移行の側面だけでなく、障がいのある子どもから大人への移行という発達的側面もあり、この時期における支援の重要性が多く報告されている。

 医学・医療の進歩充実により、特別支援学校に在籍する子どもの障がいは、重度・重複化、多様化してきており、一人一人の状態に応じたきめ細かな指導・支援が重要となる。

 2009年告示の学習指導要領には、「生徒の障害の状態により、必要に応じて、専門の医師及びその他の専門家の指導・助言を求めるなどして、適切に指導ができるようにする」ことが規定されており、外部専門家として身体や呼吸機能、生活環境等を総合的に評価し、支援を行える理学療法士の役割は大きいと考えられる。

 東京都は、早い時期から自立活動に外部専門家を導入している都道府県のひとつである。東京都の肢体不自由特別支援学校の自立活動の指導は、自立活動専任教員と学部担任がペアを組み、児童生徒2名を担当することを基本としてきた。

 この専任体制の歴史は長く、東京都の独自事業として1963年の学習指導要領で「体育・機能訓練」が制定された時に、機能訓練師として各肢体不自由養護学校に三療(針、灸、あんまマッサージ)の資格者を配置したことに始まる。その後、1973年に養護・訓練を行うための養護・訓練教諭普通免許状(現在の自立活動教諭普通免許状)が制定され、養護・訓練教諭の採用枠を新設、自立活動教諭の採用枠として現在に至る。

 2003年に東京都の盲・ろう・養護学校の異動要綱が改定された結果、多くの学校で長年肢体不自由教育を支えてきたベテラン教員が他校種へと移り、変わって他校種から肢体不自由教育未経験の教員が配置された。また、1963年当時からの自立活動専任教員が定年退職の時期を迎えることも重なり、肢体不自由教育の専門性の継続のために、2004年から自立活動への外部専門家導入を開始している。

 外部専門家の指導内容は、導入校の事情によって異なり、活動内容は一律ではないが、教員への指導だけではなく、児童生徒のアセスメント、教員の作成する個別指導計画作成へのアドバイス、児童生徒の直接指導も含められている。

 本シンポジウムでは、東京都内の特別支援学校に関わる外部専門家に実施したアンケート結果を踏まえ、学校教育現場における子ども達へのより豊かな支援について、皆様と一緒に考えていきたい。

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© 2019 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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