Journal of Computer Chemistry, Japan
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線形多変量解析を用いた徳島吉野川の水質の解析
神部 順子青山 智夫山内 あい子長嶋 雲兵
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2007 年 6 巻 1 号 p. 1-18

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抄録
吉野川の水質浄化の指針を得るために,吉野川水系の上流から河口に至るまでの5種類の水質パラメータの変化を主成分分析とクラスター分析を用いて解析し,吉野川水系の上流から下流までの汚染度をみるための複合的な指標を得ることを試みた.吉野川の汚染の傾向を見るためには,少なくとも5つのパラメータほぼ同じ程度重要であった.
吉野川は4つの河口を持つ(Figure 1)が,水質は河口からの距離とは対応しておらず(Table 5),最も河口からの距離が長い平和橋(銅山川)と河口の1つである新町川の水質汚染が進んでいることがわかった(Figure 6,Table 12).このことから,それぞれの流域の水質に影響を与えている要因を個々に探る必要があることが示唆された.
吉野川の水質浄化のためには,このような要因の解析と総合的な環境指標に基づいた解析が重要であることがわかった.
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© 2007 日本コンピュータ化学会
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