臨床倫理
Online ISSN : 2435-0621
Print ISSN : 2187-6134
実践・事例報告
医療機関におけるパワーハラスメント抑止に向けた防止対策体制の構築
大浦 裕之宮田 剛
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 13 巻 p. 21-30

詳細
抄録

 医療従事者による罵声,過度の叱責などのパワーハラスメント(パワハラ)は人権侵害であるうえに,医療事故や看護職不足等医療安全上の重大な脅威となることが知られている。しかし,改正労働施策総合推進法により全事業体にパワハラ防止措置が義務化された現在もなお,本邦の医療機関におけるパワハラ防止対策は不十分なままである。当院では,2020年6月より同法を参考としたパワハラ防止対策活動として,トップの姿勢周知/相談窓口整備/教育研修/ガイドライン策定/行動規範策定/アンガーマネジメント普及活動/挨拶推進運動等を包括的に実施した。翌年7月に同活動のパワハラ抑止効果に関する意識調査アンケートを実施し,その実効性を評価した。その結果,同活動は「効果的,やや効果的」の肯定的回答比率が全体で約64%であり,「無効」の否定的回答比率は全体で約3%であった。この結果から同活動はパワハラ抑止に関し,ある程度効果的である可能性が示唆された。

著者関連情報
© 2025 日本臨床倫理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top