本調査では,①施設入所の検討・決定において認知症が要因で家族等の関与が大きい回答がみられたこと,②居宅側が重要と考える連携情報と施設側から求められる情報項目に差がみられたこと,③直近1事例の振り返り(Group’s SDM参考尺度)では価値観の共有や選択肢の比較に関する項目が相対的に低い傾向が示唆されたこと,が明らかとなった。
これらの知見は,要介護高齢者の施設入所における意思決定支援に関連する連携の現状の一端を示すものである。とくに,本人の意思の反映を支えるための情報共有のあり方,家族の介護負担が強い状況下での意思確認の方法,価値観や選択肢を共有する話し合いのもち方について,現場で検討すべき論点が存在する可能性を示している。今後,施設側や医療職等の多職種を対象とした調査,および質的研究等を通じて,意思決定支援に資する連携の具体的なプロセスを明らかにしていく必要がある。
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