【目的】認知症患者の支援における倫理的問題につき法的視点を含めて検討する。
【方法】日本医療ソーシャルワーカー協会所属の医療ソーシャルワーカー(MSW)1,588名を対象に,認知症患者の意思の尊重に関する意識,医療同意権に関する認識,人工的水分・栄養補給療法(AHN)の選択の実態などについてアンケート調査を行った。
【結果・考察】回答率は16.6%。MSWは医療同意権の一身専属性に関して理解が高い傾向があったが,過半数のMSWが家族などの「キーパーソン」に患者の医療決定の代諾権があると考えていた。多くのMSWが患者の意思を尊重する姿勢を示していたが,家族の意向や転院調整などの理由により,患者の推定意思に反して胃ろうや中心静脈栄養を選択せざるを得ない場合があることが明らかになった。現実的な制約や家族を重んじる文化的背景との調和を図りつつ,ACPの普及と患者の意思を尊重できる医療体制の整備が課題である。
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