2019 年 7 巻 p. 52-59
本研究の目的は,リハビリテーション医療の一翼を担う専門職である作業療法士を例にとって,専門職としての作業療法士が有するべき徳を明らかにすることである。臨床経験が5年以上でかつ臨床実習指導者の経験がある作業療法士4名を対象に約60分のフォーカスグループ・インタビューを行った。データ分析は質的内容分析を用いて逐語録からコードを抽出し,サブカテゴリーおよびカテゴリーにまとめることとした。
その結果,作業療法士が有するべき徳として2つのカテゴリーを見出した。一つは「作業療法士としてあるべき自身の姿」としての徳であった。もう一つは,「他者との関係構築と深化」の徳であった。作業療法士としてあるべき自身の姿は,日常の臨床実践における内省が含意されたものであった。一方,他者との関係構築と深化は,対象者との関係のなかで常に対象者との相互性や関係性を主体的に表出し続ける作業療法士としての態度に基づいていた。