抄録
精密な磁気測定を行なう施設では,周囲の建築構造物に起因する磁気擾乱が問題となる.この建物の磁気擾乱を評価するため,有限要素法による磁界解析を用いて鉄骨などの建物中の磁性体を詳細にモデル化した方法が提案されているが,モデリングに要する労力や計算機の記憶容量が膨大となる.また,代表的なオフィスビルを想定して建物が一様に磁化されると仮定した簡易計算による方法も提案されているが,オフィスビルとは異なる建物に適用することは困難である.そこで今回,均質化手法を用いた建物の磁気擾乱の計算方法について検討したので報告する.