抄録
固体高分子形燃料電池は、小型・軽量で高出力密度であるという特徴を持つことから、分散型電源などの駆動用電源としての応用が期待されている。しかし、未だに反応機構や劣化メカニズムの確立は十分でなく、今後重要な課題とされている。著者らは、燃料電池の心臓部であるMEAに着目し、加熱がi-V、i-p特性に与える影響の研究を行っている。本研究では、ホットプレスによりナフィオン膜のみを加熱し、ESCAによる組成の化学変化の特定と実際に試作したMEAの特性から評価を行なった。その結果、加熱による組成の変化を確認し、その影響が特にクラスター部分に出ている事が分かった。また、i-p特性においても、加熱による出力の変動を確認した。