抄録
現時における直流バイアス差動方式磁界センサの最小検出分解能は10-12 T/√Hzに達しており、更に高分解能化されれば、生体磁気など広範な分野での応用が期待できる。 センサの高分解能化を実現するためには、センサが高感度化する励振条件を与えればよく、そこでは磁心に施した巻線の分布容量とインダクタンスとの並列共振特性を積極的に用いている。しかし、励振条件には種々のパラメーターが存在し、それらは互いに依存して変化するため、簡単ではなかった。更に、従来無視できると考えていた巻線のジュール損失が共振特性と密接に関係していた。 本稿では、センサの巻線方法と共振特性との関係を実験的に検討したので、その概要を報告する。