抄録
利便性向上のために,ポータブルな小型測定機器の無線化が切望されている.しかしながら,一般的に無線ICは他種ICよりも消費電力が大きいため,単純に無線通信モジュールを接続すると,機器の利用時間が減少するといった問題が生じてしまう.この問題は,無線通信モジュールを,マイクロコントローラなどを用いて効果的に制御することで,緩和することができると考えられる.現在,我々の研究室では,利便性を損なうことなく長時間利用できる,省電力小型無線機器の開発を行っている.本稿では,その機器開発のための基礎データを取得するために行った,無線通信モジュールの転送速度(ボーレート)と動作電流の関係について詳細に報告する.