抄録
遠端クロストークは,各信号線路間を伝わるevenモードとoddモードの伝搬速度差が原因で発生する。線路間にコンデンサを付加することで速度差を小さくでき,遠端クロストークが低減できる。平衡伝送路の場合は,さらに,それぞれの信号線に生じるクロストークを等量化することよっても低減可能である。つまり,ペア信号線の速度差を等量化することで低減可能である。しかし,条件によっては遠端クロストークが速度差に比例しない領域があるため,速度差に着目してコンデンサを付加する場合,遠端クロストークを完全に無くすことができない。ここでは,平衡伝送路におけるコンデンサ付加法の適用領域をシミュレーションにより明らかにした。