抄録
これまで,無機絶縁物による外部絶縁の最適設計や耐汚損モニタリングと関連して,外部絶縁物の表面で発生する局部放電の進展機構に関連する研究が実施されており,いくつかの重要な成果を得ている。ところで,近年の汚損環境の多様化から,従来の塩害のみならず種々の汚損物質が付着した場合の汚損沿面放電が問題とされている。また,有機絶縁材料も用いられており,放電と絶縁材料との相互作用も問題となっている。そこで本研究では,局部放電進展機構の解明を進めるためにも,局部放電の維持機構の解明が重要と考え,そのための基礎データとして放電維持機構と関連した局部放電の電流分布と汚損物質の種類の関係を調べ,影響を明らかにした。