抄録
固体(エポキシモールド)絶縁機器では樹脂・導体等の様々な界面が存在し、注型技術的にボイド・剥離を考慮しなければならない。絶縁物中の欠陥は機器寿命に大きく影響するが、モールド絶縁システムにおいて許容できるボイドサイズは明確にはなっていない。また、実器におけるボイドサイズと部分放電電荷量の関係も把握しきれておらず、工場・現地ともに必要十分な部分放電検出感度と部分放電測定系の確立が必要である。本論文では、1980年代後半にA.Pedersenらによって提唱された固体中ボイド径と放電電荷量の関係式から測定系の検出感度を明確にし、エポキシモールド変圧器を対象としたボイド系と電荷量の関係を導き出す。