抄録
大気圧無声グロー放電は、寿命の長い準安定励起状態をもつ気体(He,Ar,N2)中やこれらを含む気体中のバリヤ交流放電で観測され、その放電の維持には準安定励起粒子が大きく関与していると考えられている。本研究では、窒素ガス中における大気圧グロー放電についての電気的、光学的測定を行った。電気的測定では、印加電圧及び放電電流の波形をデジタルオシロスコープを用いて観測した。光学的測定では、分光器を用いて発光スペクトルを観測し、窒素の第2正帯による発光とNOγシステムによる発光の2つに注目した。これらの観測結果から、大気圧グロー放電において、窒素の準安定励起分子がどのような役割を演じているのかを考察する。