主催: 電気関係学会九州支部連合会
本稿では埋込型永久磁石同期電動機(IPMSM)の始動時の回転子位置検出の一手法を示す。IPMSMは回転子磁極に突極性があるため,回転子位置によって固定子巻線の磁束鎖交数が変化する。その結果,静止した電動機に一定の電圧を印加した場合の電流の応答には回転子位置に依存した変化が生じ,これにより回転子位置の候補を電気角で互いにπ[rad]離れた2ヶ所に絞ることができる。さらに,静止した電動機に一定の周波数の回転磁界を与えた場合,回転子位置によって電流の応答に変化が生じることを利用して回転子位置を特定することができる。本稿ではこの手法についての原理を述べ,計算による結果の検討を行ったので報告する。