抄録
超伝導線材を電力機器に応用する場合、超伝導巻線部に発生する交流損失は機器の全熱負荷の大部分を占めるため、損失の見積もりが重要になる。最近では、磁場中の臨界電流密度Jcの向上のため、超伝導膜を生成する際の原料に不純物(BZO)を混入させる人工ピン導入方法が期待されている。さらに、岩塩構造に代表されるMgOを中間層にすることで、非常に高い製造速度(数十m/h)が実現可能であることが報告されている。
そこで本研究では,これらの技術が応用された中間層IBAD-MgO基板を持つ人工ピンZrO2+GdBCO超電導テープ線材に対して,鞍型ピックアップコイル法により交流損失を測定・評価、比較したので報告する。