抄録
変圧器の設計段階において,変圧器の性能を左右する重要な値である漏れリアクタンスを事前に把握することは重要な技術課題である。2巻線変圧器の場合であれば古典的な磁気回路や幾何学的平均距離に基づいて計算を行えるが,9巻線変圧器のように巻線の構造が複雑な変圧器では漏れリアクタンスの計算が概して困難である。
筆者の所属する研究室では,電磁界解析による変圧器の漏れリアクタンス評価を,簡易型ハイブリッド型有限要素法と純三次元解析を用いて行ってきた。しかし,三次元解析においてこれまで十分な精度が得られなかった。両手法の長短を比較し,漏れリアクタンスの評価・検討する。