抄録
電動機を用いた速度制御やトルク制御は、電力用半導体、スイッチング素子とマイクロコンピュータの発達に支えられ、順次高精度化されてきた。
例えば、直流電動機を用いてトルク制御を行う場合、電動機のトルク定数が一意に定まれば、要求されるトルクに対して流すべき電機子電流は、容易に求まる。従来、産業界では、トルク定数と誘起電圧定数とは等しいとされてきた。しかしながら、誘起電圧定数から求めたトルク定数には、電機子反作用に対する考えが欠落しているのではないかと考えられる。そこで本稿では、電機子に電流を流して測定したトルク定数と誘起電圧定数について実験的に検討したので、その概要について報告する。