抄録
人物の歩行特徴から個人を特定する歩容認証は,被験者にかかる負担が小さな生体認証の一つとして近年注目を集めている.しかし,多くの研究では,カメラから十分に離れた人物が側面から撮影されていることを想定しており,歩行方向やカメラの視線方向,被験者とカメラ間の距離の変化の及ぼす影響については十分に議論されていない.そこで本研究では,独自の撮影環境を設営し,カメラに対して被験者が接近してくる場合の歩容認証について検討する.また,撮影にはステレオカメラを用い,歩容認証における立体情報の有用性ついても検討する.この研究の成果は,建物での入退室管理への応用などに活かすことができると考えられる.