抄録
我々は、発話障害のある肢体不自由者のための音声による文字入力とPC操作を可能にするシステムの開発研究を行っている。発話障害には個人差がある。我々は特定の発話者に注目し個人の発話に合った単語選択と発音登録を行うことにより、中程度の発話障害のある発話でも高い認識率を実現している。今回我々は、音声システムを汎用化するために、対象となる発話者に合った発音を登録するツールを開発した。このツールでは、利用者が発話した単語の認識結果を、その単語の発音として追加登録することができる。発音の登録前後の認識率を比較するテストの結果、発音登録後の音声認識率が向上したことが示された。