抄録
PWMインバータで駆動されるモータにおいてベアリング故障が問題となっている。本稿では、以前までのV0、V7時の接地電位切替え法によるコモンモード電圧の抑制に加え、通常ベクトル時にも抑制を行い、コモンモード電圧を常に0Vに抑制する方法を示す。インバータ出力電圧ベクトルが切り替わるタイミングはモータ相電圧と電流極性の関係により変化し、それに伴いコモンモード電圧も変化する。そこで、モータ相電圧の最大相、中間相、最小相と電流の極性を検出し、それらの状態の組み合わせによって抑制するタイミングを制御する。提案するコモンモード電圧抑制法についてシミュレーションにより動作を確認し、その有効性を明らかにする。