抄録
本論文では,弱反転領域で動作するCMOS温度センサ回路について述べている.提案する温度センサ回路は低電源電圧動作を可能とし,弱反転領域で動作させているため,超低消費電流である.また,提案回路のセンサ部分は,温度変化を測定したい部分への局所配置が可能であるため,温度変化の大きい部分に配置することが可能である。理論的な出力電圧はスロープファクタを含む素子のパラメータの絶対値に依存せず,物理定数やMOSトランジスタのアスペクト比,MOSトランジスタに流れる電流比で決定される.提案回路を0.6um CMOSプロセスパラメータを用いてHSPICEシミュレーションを行った結果,提案回路の有用性を確認した.