抄録
近年、京都議定書や洞爺湖サミットの例に見られるように、地球環境を考慮した新エネルギーの開発が強く求められている。その中で自励式誘導発電機を用いた風力発電は、風速に応じて発電電圧が変動する厄介な問題がある。これに対して筆者らは、磁束制御形可変リアクトルを開発し、発電機に供給する無効電力を制御することにより、従来困難であった広範な風速変化に対して定電圧発電を可能とした。しかしながら、可変リアクトルに印加するバイアス磁界制御回路の電力損が大きく、高効率発電を難しくしていた。これに対し、バイアス磁界制御回路にスイッチング電源を用いることにより、発電効率を大幅に向上できたのでその概要について報告する。